ウイルスが潜んでいるのは、あなたの「手」!?

人の咳やくしゃみは気になっても、自分の手で触れるものに大しては無防備な人が多いようです。

例えば電車の吊り革、会議室のホワイトボードのペン、共用スペースのパソコンのマウス、トイレのドアや会社の入り口などなど。 ウイルスを持っている誰かが、くしゃみを押さえた手でどこかに触れた場合、人の手から手を介してインフルエンザウイルスが広がり、 食事やくしゃみなどのタイミングで体内に入ってしまう可能性は非常に高いのです。

不特定多数の人が触る部分は決まっているので、まずは危険と考えられる場所を意識することが第一。例えば複数の人が同時に使う会議室の場合、会議室内で手から手へウイルスのリレーをしてしまわないよう、注意しなければなりません。また、トイレから出た後のドアノブも多くの人が触れるので、その手ですぐに髪などに触れてしまうのもリスクの高い行為です。

また、外出から帰宅した後で室内の電気スイッチやドアを触ることで、外のウイルスが室内の場所に付いてしまうこともあります。

以上のように考え始めると、非常に神経質な話に聞こえてしまうかもしれません。しかし自分の手を介して、色々な場所や自分の持ち物がウイルスの付着場所にならないように注意するのは、ワクチン接種以外で考えられる、最も効果的な予防法なのです。

マスクよりも予防効果大! 消毒剤の効果

ここまでの説明で手の危険性はお分かりいただけたと思いますが、あらゆる物に触れないようにしたり、物に触るたびに手を洗いにいくのは現実的に不可能でしょう。そこでオススメしたいのが、個人で使用できる消毒剤の活用です。手軽に使え、正しくない手洗い以上に効果も高く、場所もほとんど選ばないので、賢く活用しましょう。

最近ドラッグストアなどで販売されている消毒剤のほとんどは、アルコールを主成分とする速乾性の手指消毒剤。正しい使い方を簡単にご説明します。

まず、消毒剤の効果を得るには一定の濃度と時間が必要です。アルコールの場合、最低50%の濃度が必要とされているので、できれば表示を確認して購入しましょう。アルコールは数秒では効果が出ないので、消毒剤を手につけてすぐにウイルスが死滅するわけではありません。できれば15秒以上時間をかけ、手の皮膚にある程度刷り込むようにしてつけるようにしましょう。

また、消毒剤は室温で使うには十分ですが、あまりに寒い場所での効果は保証されていません。冬場に建物の入り口などの寒い場所に消毒液を置いていたとしても、効果が薄れる可能性があるので、できれば室内か持ち歩きのカバンの内側に入れるなど、冷たい外気に触れさせない工夫も必要です。

消毒剤を置くべき場所

屋外から家に入る時は、手に付着したウイルスを家の中へ持ち込まないよう、玄関に置くのが理想的です。とはいえ、ドアの外に置くのは前述の気温の問題はもちろん、引火性のあるアルコールを置くことへの防犯上の問題もあります。ドアを開けて入った玄関に置きましょう。リビングや廊下などのフローリングの床にアルコールがこぼれると染みになってしまいますが、玄関の床の材質なら消毒剤のアルコールがこぼれた場合でもダメージが少なくて済みます。

もし会社に消毒剤を設置できることになったら、会議室の場合は互いにウイルスを渡しあわないよう、入室する前の場所に。トイレは中においてもあまり意味がありませんので、トイレから出た後でドア等に触れる必要がなくなってからすぐに消毒するのが効果的です。基本的には、社内では廊下に設置するのが理想的といえます。

またすでに体調が悪い人が入院している病院などで院内感染が起きるのは、絶対に防がなくてはなりません。病院では病室に入る時に消毒し、別の病室に入る時にも消毒します。病室から他の病室へ病原体を運ぶリスクを減らすためです。

以上は消毒剤の置き場所についてのアドバイスですが、営業職などで移動が多い人は持ち歩ける携帯品をカバンに入れておくのも一案です。但し、引火性という危険もあるので、置き場所を定めない場合は注意しましょう。

消毒剤の使いすぎと手荒れに注意!

ウイルス予防にとても効果的な消毒剤ですが、実際に手指消毒にアルコールを使うことには一つ問題があります。それは手荒れです。アルコールはウイルスに対してだけでなく、人間の皮膚に必要な皮脂を奪ってしまいます。消毒剤には保湿剤が入っているものもありますが、入っていないものも多いです。病院などの消毒剤を頻繁に使う場所では、手指消毒後の手荒れ防止に保湿剤を別途使用しています。病院で使うものも特別なものではなく、市販の保湿剤と同じ成分のものです。

インフルエンザ予防のために手指消毒を実践する場合は、手荒れ防止の保湿剤も一緒に携行することをお薦めします。